世界がエネルギー源として頼んでいるのは石炭・石油・天然ガスの化石燃料。埋蔵量が比較的多く使い勝手がいいからで、いずれもそれ自体では「地球環境に大きな負荷を与える」物質。これをどうやって抑制するかは優れて今日的な問題で、技術者や研究者の優秀性はもちろん消費者の見識が問われるのである。
このテーマを具現化するには、高度な技術力が絶対的に求められる。世界に冠たる科学技術立国である日本は、評価と期待に違うことのない技術開発力を発信し続けている。
ここで検証する東京電力富津(ふっつ)火力発電所のコンバインドサイクル発電は、正にその最たるプレゼンスの一つと言える。
コンバインドサイクル発電とは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて発電する方式のもので、熱効率が高く省資源効果の極めて優れたシステムのことである。ことにMACC(More Advanced Combined Cycle=通称マック)と呼ばれる燃焼温度1500℃級のガスタービンを採用した発電システムは、世界が注目している「地球に優しい」最新鋭機。ガスタービンの排熱を排熱回収ボイラーで回収して蒸気を発生させ、蒸気タービンを機能させることから熱を無駄なく利用することが可能(でき)、出力を100%に高める時間も従来型火力発電の半分以下、約1時間で可能となった。発電機・蒸気タービン・ガスタービン・排熱回収ボイラーを一軸としたため大容量発電設備にもかかわらず�狆�回り�瓩�利き、起動・停止はもちろん、負荷調整機能強化によって電力需要の変動にも迅速かつ的確に対応するプラントになった。富津火力発電所では初めてとなるMACCの営業運転は2008年7月。高性能脱硝装置があるためNOx(窒素酸化物)排出量は低減され、出力の3分の2をガスタービンが負担することから温排水も減少した。およそ59%(低位発熱量基準)という熱効率の高さがCO2(二酸化炭素)の発生を大幅に減らし、「地球環境の保全」を意図した火力発電所づくりは着実に成果を上げている。敷地の周囲には10メートル余もある様々な樹木が植林され、キジやメジロなど鳥類のねぐらになっている。
千葉県富津市。房総半島の緑豊かな丘陵地が東京湾に向かってなだらかに滑り下りる京葉工業地帯の一角。ここに世界が注目している富津火力発電所は在る。近隣には新日鐵君津製鉄所。東京湾の対岸は川崎・横浜・横須賀市の沿岸部だ。発電量は全部で453万4千キロワット。京葉工業地帯に在る東京電力の5火力発電所(千葉・五井・姉崎・袖ヶ浦・富津)の中心的存在の発電所であって、LNG(液化天然ガス)の供給基地にもなっている。富津火力発電所から京葉地区の各火力発電所まではガス導管が敷設されている。送ガス能力は500万キロワット分もある。対岸の川崎市に在る東京電力東扇島火力発電所のLNG基地とも海底導管で結ばれ、東京湾内の燃料ガス供給に弾力的かつ効率的な運用を図っていると同時に、危機管理能力を高めてもいる。
地球環境の保全という観点から、先進国は発電システムを「CO2排出の少ない」方式に切り替えつつある。そのトップ・ランナーは原子力発電だが、電源のベスト・ミックスを志向している日本は、発電設備の約6割を占める火力発電についても「地球環境に優しいクリーンな発電所として機能させよう」と努力を怠らない。技術者や研究者の優れた能力とチャレンジ精神、高い技術開発力に信を置いているからである。その存在証明の一つが富津火力発電所のMACCであることは言うまでもない。
(提供=東京電力株式会社)
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