日本のエネルギーを考える――「電気」は何処へ
二見喜章(ふたみきしょう)/ノンフィクション作家・教育評論家
世界に冠たる科学技術立国で知的民族国家である日本は、先進国の中でもフランスと共に天然資源には全くと言ってもいいほど恵まれない国である。しかも日本は第2次世界大戦で心ならずも敗戦国となり、焦土と化した無の中から「有を形成してきた国」でもある。
この「無を有にした」軌跡については、近現代史を勉強している人にとっては「言わずもがなな事」だが、昭和25年に勃発した朝鮮戦争の特需景気に加え、日米安全保障条約によって必要以上の国防予算を組むことはなく、全てを国土建設・経済活動に振り向けることが出来た「不幸の中の幸運」が、今日の大国・日本の礎を築く事に繋がっているのである。
無論これは「日本人特有の勤勉さと優秀性」が向上心と相俟って機能した結果なのだが、自民党政権の驕りからくる数々の�狹┝梱瓩砲茲辰特太犬靴拭▲好�ャンダル塗(まみ)れの民主党政権が日米関係を不安定で不透明なものとしている現状では、日本と日本人の安心・安全に不安感を抱く人が数多(あまた)いたとしても当然であろう。
日本の直ぐ近くには、世界第2位の経済大国・日本を抜きつつあるばかりではなく、核兵器やミサイルを持ち、航空母艦まで持とうとして軍事大国化を着々と謀っている「覇権主義国家」中国がある。しかも隣には「世界の最貧国」でありながら威し材料としての核爆弾やミサイルの開発を行っている、何をするか分からない�狆�軍様の国�疔鳴�鮮もある。
いかに民主党主体の政権がノー天気であるとは言え「対等な日米関係を構築したい」と主張している以上、その中身について具体的な議論をしてもらう必要と義務がある。それを早急にしなければならない世界情勢が、日本と日本人の目の前に厳然として存在しているからである。
世界に冠たる知的民族国家である日本が、時に中国やロシア、北朝鮮などから「舐められる」のは、為政者に毅然とした覚悟が無いからである。民主党はせっかく権力を取得したのである。この事を認識し、観念論ではなく具体論として議論を重ね、国民の前に1日でも早く道筋を示さなければならない。不安感があっては地球環境問題について考えることも出来ないからだ。
2009年12月7日にデンマークのコペンハーゲンで開かれた、国連の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は、ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領の出席と、総理大臣就任直後の国連総会で「日本は2020年までに1990年比25%の温室効果ガス削減を目指す」と宣言した鳩山首相の出席などから注目され、大きな期待を寄せられたが、結局リーダーシップを執ることが出来ず「世界一のCO2(二酸化炭素)排出国」中国の猛反対に遭って頓挫。次回以降の会議に先き送りということになってしまった。つまり、次世代に対して「地球破綻」というツケを回すことになったのである。
中国の13億余の人口パワーを制することは、国連への「分担拠出金」が世界1位と2位であるアメリカと日本でさえ出来なかった、ということなのだろう。
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