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三橋 櫻井よしこさんは、今般の選挙は、選挙前からのことを含めてですが、要するに銭金、物品のことばかりが問われて、まったく日本の価値観や国柄などといったことが論点に挙がっていないことを批判していました。日本人は、いつからこんなに卑しい国民性に落ちぶれたのかということを嘆いていましたね。お金の問題は大変ですが、もっと大切な問題があることを忘れてはいけないわけです。
八木 「生活が第一。」なんて、考えてみれば酷いスローガンです。共産党は「くらし」云々ですね。
三橋 アメリカでもそういう「暮らし」とか、「生活」なんていうことしかいわない人が大統領になると、国は凋落する。もっと大きいこと、すなわち国家のことを堂々と問うほうが国力は伸び、人びとの生活はむしろ豊かになるのです。生活の大前提に、やはり「国の安全」、すなわち安全保障があるわけです。こういう問題を抜きにした「生活」などというものは、本来ありえない話なのです。
そこで百歩譲って、国のかたち、あり方を変えましょうということになる。民主党には霞が関改革とか、公務員制度改革とか、それだけをやってもらいたいという感じです。
八木 民主党政権は、そこだけやってくれればいいんですよ。
三橋 経済成長、景気対策は麻生政権のものをそのまま継続していればいいのです。成果は出ていたわけですから、わざわざ止める必要がない。しかし、民主党は、反自民ということで、こうした経済政策も止めてしまうのでしょう。
八木 印象的だったのは、自民党総裁選のときに、河野太郎氏が自民党と民主党との違いを出そうとしたのか「保守主義」という言葉を使っていたことです。自民党は保守主義だというのです。彼は何をいっているかといえば、「小さな政府」でいくんだというわけです。成長戦略をもった小さな政府でいくと主張しているのです。たしかにそれもいいのですけれども、それに加えて、やはり保守主義という以上は、もっとイデオロギーの部分を打ち出していかないと、国民は理解できないでしょうね。民主党との対立軸をはっきりさせることが必要です。
八木秀次(やぎ ひでつぐ)高崎経済大学教授
昭和37年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業。同大学院政治学研究科博士後期課程中退。専攻は憲法学、思想史。人権、国家、教育、歴史、皇室などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開している。現在、高崎経済大学教授、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。平成14年、第2回正論新風賞受賞。著書多数。
三橋貴明(みつはし たかあき)評論家、作家
1994年、東京都立大学(現・首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業をはじめNEC、日本IBMなど計10社に勤務した後、中小企業診断士として独立。現在は、経済評論家、作家としても活動している。企業の財務分析で培った解析力をマクロ経済に応用し、経済指標など豊富なデータをもとに国家経済を多面的に分析する「国家モデル論」が注目される。著書に『中国経済・隠された危機』(PHP研究所)など多数。
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