
PHP総合研究所
常務取締役 永久寿夫
ソマリア沖合いはペルシア湾岸産の原油の輸送路、日本のみならず世界各国の生命線である。この辺りに海賊が出没するのはソマリアの国家破綻が原因だ。北東部では、海賊活動による「収穫」が街を潤し、「海賊御殿」も立ち並んでいる。逆から見れば、甚大な被害が出ている。印・露・南ア・米・NATOなどが、昨年6月の国連安保決議に基づき警戒活動を開始した。昨年末には中国も駆逐艦を派遣し、台湾を含む外国船の護衛も行なっている。
米海軍の海賊退治に協力しなければ日米関係に悪影響を及ぼす、という議論を「勘違いもはなはだしい」と喝破するのは日高義樹氏である。米国の原油中東依存度は低いうえに、戦略的にさらにウエイトを落とした。したがって「アメリカは国民の安全と利益に関係のないソマリアの海賊退治に、税金を使う気はない」「アメリカに頼るのではなく(中略)基本戦略をつくり上げ、独自に動くべき」と論じる(『リベラルタイム』09・03)。自分の死活問題にノーテンキな日本への警告だ。
政府がようやく固めた海賊対策新法の骨格は、海賊船に対する停船目的の武器使用と外国船も保護対象にすることである。このくらいできなくては警備など不可能だ。だが、「専守防衛の枠を越える」「集団的自衛権の行使だ」と非難する声がある。憲法9条を素直に読めば、自衛隊の存在すら違反だろう。世界情勢の厳しい現実の中で生き残るため、日本は9条を柔軟に解釈し=ごまかし続けてきたのである。その恩恵を受けてきながら、いまさら杓子定規に違憲と言うのは偽善だが、柔軟な解釈で逃げるのももう限界だ。来年には国民投票法が施行される。いまこそきっちりと憲法改正を考えるべき時なのだが…。
(2009年02月10日掲載。*無断転載禁止)
PHP総合研究所Webサイト【http://research.php.co.jp/】(PCサイト)
永久寿夫(ながひさ・としお/株式会社PHP総合研究所常務取締役)
略歴:1982年慶應義塾大学法学部卒業。スタンフォード大学ロシア・東欧学修士、カリフォルニア大学(UCLA)政治学博士。著書に『ゲーム理論の政治経済学』、『スラスラ読める日本政治原論』など。杉並区行政評価検討委員会委員、神奈川県経営戦略会議委員、東京外国語大学非常勤講師などを歴任。関西大学客員教授を務める。国家経営研究本部長を兼務。
「GreenWorkplace」で実現する「節電でも成果が挙がる働き方」 東日本大震災による影響で、東日本を中心に全国的に節電に取り組む必要が出てきた…
つらい環境や嫌な相手は変えられなくても、ストレスは軽くできる!
今日から効果が上がる「ストレスゼロ・テクニック」とは?
社内や取引先との人間関係、重いノルマや責任など、ビジネスマンはストレスにさらされ続けている。ストレスを抱えていると仕事のパフォーマンスが悪くなり、さらなるストレスを生むこともしばしば…
「コンプライアンス」という言葉はきっと耳にしているはず。だが、その意味するところをほんとうに理解しているだろうか? 日本にコンプライアンスの考え方が本格的に導入された時点から、そのルールづくりに携わってきた野村修也先生に、誤解されがちな「コンプライアンスの真の意味」についてうかがった。
温室効果ガスの削減など、環境問題に注目が集まるなか、石油はともすれば「悪しき要因」としてばかり取り上げられがちである。しかし、無資源国であるわが国にとって…
悩める個人投資家に朗報!
元為替チーフディーラーの両雄が�牴射鄙蠑譴任眈,討覘疆蟷駛,鯏按貉愼遏�
木内博一 (農事組合法人「和郷園」代表理事)
当連載が本になりました!
『最強の農家のつくり方』(定価1,470円)
「農業界の革命児」が語る成功の方程式と日本再生への構想をぜひ、ご一読ください。
野口悠紀雄(早稲田大学教授)
「オフショア」「タックスヘイブン」の姿を知ることで、日本経済の問題点と進むべき道が見えてくる!
第2回 タックスヘイブンは存在悪か?