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じつは深刻!中国経済 三橋貴明(作家、経済評論家)

日本における中国経済問題=低質な日本メディアの問題

 何度も書いているように、中国は結局のところ「資本主義の皮を被った共産独裁国」でしかないのだ。リオ・ティントの事例などは、まさに典型的である。

「資本主義の皮を被った共産独裁国」中国と対抗するには、情報の受け手側がリテラシー(読み取り能力)を高めるしかない。

 しかし、現実の国内メディアの中国報道は、極めて低いレベルで推移を続けている。レベルが低いだけならまだしも、以下のような「おぞましい」記事を平気で紙面に掲載するのである。

(『朝日新聞』09年7月7日
「『ウイグル族に殺された』漢族が抗議デモ 新疆の騒乱」
 1000人以上が騒乱で死傷した中国新疆ウイグル自治区ウルムチで7日、ウイグル族に反発した漢族住民による数千人規模のデモが起き、一部が暴徒化してウイグル族の住居や車を襲撃した。ウイグル族側の抗議も続いている。
 漢族とウイグル族の対立感情が高まっており、自治区当局は同日、夜間に車でウルムチ市内に外出することを禁止した。
 漢族のデモは午後一時ごろ始まった。会社員や大学生ら数千人が参加し、「ウイグル族に多くの漢族が殺された」と抗議。市街地南部のウイグル族居住地区入り口付近で数百人の警官隊ともみ合い、一部の漢族が居住地区になだれ込んだ。
 参加者はこん棒や鉄パイプを持ち、「自衛のため」と職場で配られた例もあるという。先のとがった鉄の棒を持つ人もいた(後略、下線は筆者))

 どこの世界に、「自衛のため」に「こん棒」や「鉄パイプ」を「職場」で配る国があるというのだろうか。もしも中国の職場で本当に「こん棒」「鉄パイプ」、それに「先のとがった鉄の棒」が配られたのだとしたら、それは単純にウイグル族虐殺に参加させるためだろう。

 これほどまでにおぞましく、同時に悪質な中国共産党迎合の記事を書き、
「我が社はクオリティ・ペーパーでございます」
 などと自称しているのが、日本のマスメディアの真の姿というわけだ。

 我々はこの種の悪質、低質なマスメディアに囲まれ、ミスリードや虚偽報道の津波に襲われ続けている。結局、日本国民にとって中国経済問題とは、国内マスメディアの問題とイコールなのである。

 この種の悪質な報道の「津波」に対抗するには、我々日本国民が自ら「情報リテラシー」を高めていくしかない。そういう意味で、現在の虚実が入り混じる中国報道は、我々がリテラシーを高めていくための、格好のモデルケースと言えないこともないのである。

(本連載をまとめた単行本が、弊社より8月末に発刊される予定です)

三橋貴明(みつはしたかあき)作家、経済評論家

1994年首都大学東京(旧東京都立大学)卒業。外資系コンサルティング会社などに勤務後、中小企業診断士資格取得。通信業界に対し、企業の財務分析に基づく提案型コンサルティングを推進する一方、国民経済計算、国際収支など国家の経済指標にその手法を応用、各国の経済分析に従事。著作に『崩壊する世界 繁栄する日本』(扶桑社)、『トンデモ! 韓国経済入門』(PHP研究所)などがある。

三橋貴明(作家、経済評論家)

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最終章 内憂外患――「資本主義の皮を被った共産独裁国」のジレンマ

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