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普天間騒動・米国の「演技」

上杉 隆(ジャーナリスト)

メディアの過剰反応

 外交におけるゲームプランは、内政とはまったく別次元で動く。沖縄・普天間飛行場移設をめぐる鳩山内閣の対応、外務省の方針、そしてメディアの反応をみると、そうした視点が欠落しているようにしか思えない。

 鳩山内閣は、日本から見た普天間問題ばかりに注視し、本来的に主導権を握っているはずの米政府の「本音」を読み違えているのではないか。そう思うのは筆者だけではあるまい。

 米政府は、アジアにおける軍事的なプレゼンスと、四軍の一つにすぎない米海兵隊の中長期的なオペレーションを考え、「建前」の発言とは別の論理で動いていると考えるほうが自然である。

 外交のゲームプランから導かれる米政府の「本音」を分析・検証してみよう。

 12月中旬、鳩山首相は、普天間の移設先に関する結論の先送りを米政府に伝えた。それを受けて、日本のメディアは一斉に米側の不快感を伝えた。

「米海兵隊トップのコンウェー司令官は15日、米軍普天間飛行場移設問題に関する結論を先送りした鳩山政権の対応について『それが彼らの結論なら遺憾だ』と述べ、在沖海兵隊のグアム移転が遅れる可能性に言及した」(共同通信)

 さかのぼる12月初旬には、「日米合意」の変更を企図する日本政府に対して、ルース駐日米大使が怒りをあらわにしながら、岡田外務大臣と北沢防衛大臣に詰め寄ったとも報じられている。

 だが、こうした米側の対応をいちいち真に受けて報じるのは、過剰反応というほかない。米海兵隊が不快感を示し、駐日大使が怒るのは、米国の内政事情からみれば、きわめて当然の反応なのだ。

 仮に、海兵隊司令官や駐日大使が日本政府の方針転換に理解を示し、海兵隊や国務省の利益を代弁しなかったら、米国内から非難されることは必然である。

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