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注目記事

海外メディアの撤退ブーム

上杉 隆(ジャーナリスト)

会見で質問ができない

 ついに自民党が記者会見を開放した。

 1955年の結党以来、記者クラブと癒着することで不健全な政治状況をつくり出してきたのが、権力とメディアの55年体制だ。そうした構図を自ら打ち破ったことで、谷垣新総裁の下、新しい門出をアピールする意図もあったのだろう。下野したからこそできた決断だとはいえ、自民党の将来を考えればけっして悪いことではない。

 国民の知る権利、情報公開の見地、何より世界中のメディアが実践しているフリープレスの原則からして当然の判断である。

 しかし、水を差すようで申し訳ないが、それはあまりにも遅すぎたといえる。なぜもっと早くオープンにできなかったのか。これまでにチャンスは何回もあったはずだ。

 筆者はこの10年間、自民党本部、つまり平河クラブで行なわれる自民党幹部の会見への出席を繰り返し求めてきた。そのたびに返される答えは、いつも決まって同じであった。

 それは、「オブザーバーとしての出席ならば、例外的に許可する」というものであった。

 オブザーバーとしての会見出席とは笑止千万である。質問のできない会見に何の意味があるというのか。そんなことは日本以外ではまったく通用しない理屈である。

「国境なき記者団」は、日本の記者クラブ制度を批判し続けている。取材中に記者が命を落とすこともなく、政府からの圧力もさほどない日本で、報道の評価が低い理由は、記者クラブの存在にある。

 同業者が同業者を選別するという閉鎖的なシステムは、日本に住んで、日本で働く日本外国特派員協会(FCCJ)の外国人記者たちの間でもきわめて評判が悪い。特派員が2人以上集まれば、間違いなく記者クラブ制度への怒りで大方の時間が費やされることになる。

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